【法要】一周忌法要に招かれたら|知っておくべき心構えとマナー
更新日:2022年10月4日

一周忌法要の案内状を受け取るのは亡くなった方の親族や、ごく親しい方に限られます。法要は葬儀やお通夜と違って、招待を受けて参列するものですから、招待されたら出席するのがマナーです。そこで、なるべく都合をつけて参列したいところですが、正しいマナーについては自信がない、ということでしたら、ぜひこの記事をご覧ください。
そもそも一周忌の法要とは何なのか、といった疑問から、供花・供物の選び方、香典の相場、服装マナーまで、掘り下げて解説したいと思います。皆さんのお役に立てれば幸いです。
目次
1. 一周忌とは
一周忌とは、故人が亡くなってからちょうど1年目の同月同日の祥月命日(しょうつきめいにち)を指します。一周忌法要は、故人が亡くなってから初めて執り行われる年忌法要のことです。
法要は故人の霊を慰め、成仏を願うものです。年忌法要は通常、亡くなった後、満1年を一周忌、満2年を三回忌とするなど、数字から一を引いた年に行います。以後、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌まで執り行われることが多いようです。
ちなみに、年忌法要の前には、四十九日を喪に服する期間が終わる「忌明け」とし、命日から100日目に「卒哭忌(そっこくき)」とも呼ばれる百箇日法要を営むのがならわしとなっています。
一周忌に参列する際に大切なのは、出欠連絡、香典(不祝儀)、お供え、服装の準備です。それぞれについて詳しく解説していきます。
四十九日法要に招かれた際に注意すべきこと、マナーなどはこちらの記事で紹介しています。
三回忌法要に招かれた際に注意すべきこと、マナーなどはこちらの記事で紹介しています。
併せてご覧ください。
2. 一周忌法要の出欠連絡
法要の連絡が電話であった場合には、その場で返答するか、検討のうえ改めて電話して返答します。案内状を受け取った場合には、返信はがきや往復はがきの返信部分を指定の期日までに送ります。
参列できない場合には、1日でも早い返信が好ましく、書き方にも、欠席理由にも、それなりの配慮が必要です。
1-1. 書き方
招待状には返信用のハガキが同封されているのが通常です。「御出席」と「御欠席」。住所欄、氏名欄が記載されています。
出席の場合は、「御欠席」の三文字を、欠席の場合は、「御出席」の三文字を、二重線を縦に引いて消すのがマナーです。
出席・欠席のニ文字の上にある「御」 との文字を、「住所」のニ文字の上にある「御」の文字を、二重線を斜めに引いて消して、「欠席」の二文字を、○で囲みます。「住所」のすぐ下に、住所を書きます。
氏名欄は「御芳名」となっていますので、「名」の上にある「御芳」のニ文字を、二重線を縦に引いて消します。自分の氏名をすぐ下に書きます。施主という方からは「御」という形で丁寧な言葉で記されていますが、返信はがきを出す時はそれを消してへりくだった書き方に訂正して返信します。
1-2. 欠席の理由を書く
法要を欠席する際には、返信はがきに欠席の旨を書きます。この欠席の理由ですが、細かく記載することはしません。
外せないない用事があって、仕方なく法要を欠席する場合でも、「会議のため」、「出張中のため」などと具体的な法要の欠席の理由は書かず、「どうしても都合が合わず」「やむをえない理由で」と書きます。
ハガキに長々と理由を書き加えるのはスマートではありませんし、先方に対して失礼に当たりますので気をつけましょう。
1-3. 供物料も同封する
法要を欠席する場合でも、法要のマナーとして供物料(お香典)をお渡しします。一般的には、供物料を現金書留に入れて送ったり、お線香や供花などを贈ったりするのが一般的です。
「供物料」と表書きして送ります。供花の色は、決まりはありません。お通夜や葬儀の際のように白い花にこだわる必要はありません。
なお、お斎(会食)に参加しないのであれば、供物料の金額は3,000~5,000円くらいが相場です。金額が大きいと、施主にお返しのことなど、余計な気を使わせてしまうことになりますので、気をつけるようにしましょう。
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3. 一周忌の供物料(香典)
一周忌ではそもそも香典不要とされる場合もあるようですが、指定がない限りは供物料(香典)を持参するようにします。
3-1. 供物料(香典)とは
供物料とは、法要の際にお供え物に代えてお金を包んだもののことを指します。
かつては法要には、故人の霊を慰めるためにささげる供物として、線香や生花、果物、菓子など持参するのが一般的でした。しかし最近では、「御供物料」や「御仏前」と表書きして現金を包むこともあります。この金銭を供物料と言うのです。
3-2. 供物料と香典との違い
お供物料に似たものとして香典があります。供物料も香典も現金を包んで遺族の方に渡すものです。
香典は故人の霊前に供えるために線香や花、抹香の代わりとして現金を包んだもので、供物に替えるという趣旨の点では香典と似ていますが、厳密には違いもあります。
一般的には通夜や葬儀・告別式に渡すものを「香典」と呼び、法要で渡すものを「供物料」と呼びます。
ただし、お供えの食べ物を出席者で持ち寄り、法要が済んだ後に全員で分け合う慣習がある地域などは例外です。こういった地位では、供物と別に包んだ現金のことをお供物料と呼ぶのではなく、香典と呼びます。
いずれにしろ、最近では供物料と香典はあまり区別されず、法要に持参する金銭も香典と呼ぶ人が多く、ネットでも一律に香典と表記している例を多く見ます。そんな現状に鑑みて、ここでは供物料(香典)と併記して説明します。
3-3. 供物料(香典)の相場
供物料(香典)の相場は法要に参列するだけなのか、その後のお斎(会食)まで参加するのか、卒塔婆を立てるのかによっても変わってきます。
一周忌に包む供物料(香典)の金額は、「自分の年齢」「相手との関わり方」「相手との縁の濃さ」によって変わります。
親族以外でしたら、故人が亡くなって最初に迎える新盆のお参りに行く際は、3千~5千円がお供物料の相場と言われている一方で、一周忌法要に参列するだけの場合は5000円~1万円。貸会場でのお斎(おとき)にも参加するような場合は1万円~2万円。卒塔婆を立てる場合は5千円程多く包むのが相場です。
ただ、特別に故人に生前お世話になっている場合などでは、5千円~1万円ほど多く包む事もあるようです。
故人との関係性によるお供物料の相場は以下の通りです。
親子・兄弟:2万円~3万円
親戚:5000円~1万円
知人・友人:3000円~1万円
会社の同僚や上司:5000円~1万円
迷ったのならば少し多めの金額を包んでおいた方がよいでしょう。
3-4. 供物料(香典)の金額をどう決めるか
お供物料の金額は、故人または遺族との関係性や参加する法要の性質によっても変わります。
目安は、数千円から1万円ぐらいです。故人との関係が親戚など、近い関係にあればあるほど、金額も多くなります。
お供えを持っていく場合は、品物を贈るのか現金を包むのか、あるいはその両方を持っていくのかを決めておきます。それらを合計した金額が相場の金額となるよう調整します。
3-5. 香典袋(不祝儀袋)の書き方
一周忌も葬儀などと同様に不祝儀袋を使います。故人はすでに仏様になられているので、「御仏前(御佛前)」「御供物料」などと書きます。水引は、黒白や双銀のものを使いますが、黄色と白のものを使う場合もあります。
また、葬儀の場合は薄墨で書きますが、一周忌の場合は薄墨ではなく濃い墨を使用します。
葬儀で薄墨が使われるのは、急な事で墨をすれなかった、涙で墨が薄くなったなどのためとされており、突然の別れに動揺しているという意味で使われる物です。ですから、四十九日以降は全て濃い墨で書くのです。
3-6. 新札はNG?
通夜や葬式・告別式とは異なり、一周忌法要の場合は「すでに行う日付が決まっていること」です。そのため、新札を包んでも構いません。クシャクシャのお札などを使うよりは、新札を使うことをおすすめします。
ただ、気になるのであれば、真ん中に折り目を1本入れてください。
四十九日法要に招かれた際に注意すべきこと、マナーなどはこちらの記事で紹介しています。
三回忌法要に招かれた際に注意すべきこと、マナーなどはこちらの記事で紹介しています。
併せてご覧ください。
4. 一周忌の供物(供え物)
4-1. 一周忌法要のお供え
供物料(香典)に加えてお供え物も必要でしょうか?
一周忌には供物料(香典)かお供え物のどちらかを持参すればよく、特に指定がない限り両方持って行く必要はありません。
供物料(香典)を包んだうえでお供え物の品物を用意する場合、目安となる金額は3千円〜5千円です。
親族以外は、「香典と品物を合わせて1万円」と覚えておくと良いでしょう。
送りたい品物が高い場合は、参列者同士で相談してお金を出し合い、連名でお供え物を用意したうえで個別に香典を包むようにするのがお勧めです。
4-2. お供え物に適した品物は?
お供え物を持参する際に注意することは、遺族の手間にならないように重たい物やかさばる物は避けることです。
また法要後に分けて持ち帰る事が多いので、個別包装が喜ばれると言われています。
よくお供え物として選ばれる物には、果物や日持ちのするお菓子などの食べ物、お茶やジュース、ビールやお酒などの飲み物、供花として仏壇に供えるお花などが多いようです。
昆布などの慶事の場によく使われるアイテム(「よろこんぶ」)などは避けます。
4-3. お供え物にのし紙は要るの?
お供え物にもかけ紙は必要です。かけ紙は故人への感謝の気持ちと、遺族へのいたわりの気持ちを表した物とされています。
一周忌法要に参列して直接渡す場合は、お供え物が多くなると誰から送られたか分からなくなるとの理由で、「外かけ」を使います。参列はせずお供え物を送る場合は「内かけ」をかけるとされていますが、厳密には決まり事はなくどちらでもマナー違反ではありません。
水引は不祝儀袋のものに準じ、黒白もしくは双銀、あるいは黄色と白にします。表書きは「御供(ごくう)」「御伴」がよいでしょう。
5. 一周忌の供花
一周忌の法要にはお花を贈ることもよくあります。花を贈る場合は、以下の点に気を付けます。
亡くなったばかりのときは白色を基調としたお花を選びますが、「弔う花」から「偲ぶ花」へとかわり、一周忌の法要では、故人が好んだ明るい華やかなものを選んでもよいといわれています。ただし、バラなどのトゲのある花は避けます。
葬儀の際の供花のような立札を付けるのも良いのですが、一工夫してはどうでしょうか。メッセージカードに、贈り主の名前を添えて亡き人や、遺族への言葉を一行書き添えると、思いがいっそう伝わります。
一周忌の法要で飾ってほしいと考えるのであれば、前日までに到着するように手配しておくようにします。当日に到着するように手配すると、配達の遅れなどの可能性もありますので、あまりお勧めできません 。
四十九日法要に招かれた際に注意すべきこと、マナーなどはこちらの記事で紹介しています。
三回忌法要に招かれた際に注意すべきこと、マナーなどはこちらの記事で紹介しています。
併せてご覧ください。
6. 一周忌の服装
参列者としての服装は、略喪服が望ましいとされています。「略喪服」は「準喪服」よりも制約がゆるいものになります。
一般的に、グレーや黒の地味なスーツが良いでしょう。ストッキングや靴、小物は黒で統一するのが基本です。また、ヘアスタイルやメイクは派手にならないように心がけ、アクセサリー類は真珠もしくは結婚指輪程度にしておきます。以下で、少し詳しく説明します。
6-1. 男性の服装
スーツは黒や紺・チャコールグレーなどの無地のダークスーツ。
シングルでもダブルでも可。
シャツは白無地、ネクタイは黒無地とし、タイピンはつけない
靴は光沢や派手な飾りのない黒いものとし、靴下も黒を着用します。
6-2. 女性の服装
黒や紺・チャコールグレーなど、露出の少ない無地のシンプルなスーツ・アンサンブルやワンピースを着用します。
ちなみに、女性の服装マナーは数多く、スカート丈はひざ下で、フレアスカートやプリーツスカートなど、動きやすいものが好印象です。
もちろんパンツスーツでも大丈夫です。
アクセサリーをつける場合は一連のパールやオニキスのネックレス。
ストッキングは黒を着用します。
靴やバッグはシンプルで光沢のない黒いもの。
髪はきちんとまとめて、メイクは控えめに。
なお、男性にも女性にも言えることですが、靴やバッグなどは爬虫類やファーなど、殺生をイメージさせるものはNGです。三回忌も「故人を偲ぶ場」ということを決して忘れないでください。
6-3. 学齢期・学生の子ども
参加者に限らず、施主側であっても学齢期の子どもであれば制服を、学生であれば、学生服または制服を着ていけば問題ありません。
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7. 一周忌の持ち物の準備
7-1. 数珠
一周忌は仏教の儀式ですから、参列者はそれぞれ数珠を持参しておきたいところです。厳密に言えば宗派ごとに数珠の形状は異なりますが、一般的に形状まで気にする必要はありません。数珠は法要時に忘れがちなので、事前に確認をしておくとよいでしょう。
数珠もまた、葬儀の際には欠かせない持ち物です。法要の間や合掌の際に手に持って使う仏具であり、もともとは念仏やお経を何回唱えたかを数えるためのものでした。
数珠には宗派によって形や珠の数が異なる「本式数珠」と、全ての宗派で使える「略式数珠」があります。違う宗派の葬儀や法要に参列する際には、もともと持っている自身の宗派の数珠を持参して問題ありません。**数珠の貸し借りは基本的にマナー違反**となるため避けましょう。
7-2. 袱紗(ふくさ)
袱紗(帛紗)とは不祝儀袋を包むためのものです。袱紗は紫色もしくは弔事用の紺色のものなどを選ぶようにしてください。経本があればこれを持っていけばよいのですが、おそらく仏教用の経本を持っている人は決して多くはないでしょう。その場合は、特に買い求める必要はありません。
四十九日法要に招かれた際に注意すべきこと、マナーなどはこちらの記事で紹介しています。
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併せてご覧ください。
8. 言動で気を付けること
法要の際には注意すべき言動があります。あくまでも、弔事であって厳粛な場であることを自覚して行動することが大切です。
遺族へのあいさつ例
「本日はお招きいただいて大変恐縮です。ご一緒にご供養をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いします。」
また、大事な注意点としては「ありがとうございます」は避けるのが通例です。
避けるべき言動
一周忌に参加する際には、その場に相応しくない言動は避けましょう。
故人のことを悪く言ったり、不幸が続くなどと言ったりすること。
死因などについて深く掘り下げること。
「もっとあなたがちゃんと面倒を見ていたら、あの人は長生きしていた」
など、どなたに対してでも、非難、詮索、中傷、皮肉などは故人を偲ぶ場にふさわしいものではありません。厳に慎むようにしましょう。
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