【法要】四十九日法要に招かれた時に知っておくべきマナー
更新日:2022年10月4日

あなたは親しい方の四十九日法要の案内状を受取りました。法要は葬儀やお通夜と違って、招待を受けて参列するものですから、招待されたら出席するのがマナーだと聞いています。そこで、なるべく都合をつけて参列したい。でも、正しいマナーについては自信がない。さあ、どうしたものか。
そんな方のために、そもそも四十九日の法要って何なのか、といった初歩的な疑問から、供花・供物の選び方、香典の相場、服装マナーまで、かなり掘り下げて解説したいと思います。皆さんのお役に立てれば幸いです。
目次
1. 四十九日の法要とは
「法要」とは故人の霊を慰めるためにする仏教儀式のひとつです。難しい言葉ですが、「追善供養(ついぜんくよう)」とも言われ、故人を偲び成仏を祈ることが目的です。「法事」や「法会(ほうえ)」と表現されることもあります。
人は亡くなって四十九日後に仏のもとへ向かうと言われています。その四十九日までのあいだ、七日ごとに閻魔大王を含めた十王と呼ばれる審判たちに、この世での行いについてお裁きを受けます。四十九日目は極楽浄土に行けるかどうか、最後の審判を受ける重要な日、と考えられているのです。
故人が極楽浄土に行けるように、遺族も七日ごとに祈ることで極楽往生を願います。なかでも故人の審判が下る四十九日が一番重要だと考えて、その日に盛大な法要を行い、供養するというわけです。
キリスト教には、仏教でいうところの、四十九日に類する儀式・習慣はありません。ただし、一般的に墓地・納骨施設への埋骨・収納は、召天後1~2ヶ月後に行うことが多いので、その際に牧師を呼んで墓前祈祷をしてもらい、埋骨・収納をすることが一般的です。
また。法事・法要に相当する追悼行事(記念会)があります。ただし、これれはキリスト教の宗派によって異なるところが多いのでしっかり確認して参列してください。
施主として四十九日法要を営まれる際の準備、手順の詳細をこちらの記事で紹介しています。必要な方は、こちらをご覧ください。 【法要】四十九日法要を執り行う際の準備から服装、流れ、費用までを徹底解説
2. 四十九日法要の案内状を受け取ったら
案内状
法要(霊祭、記念式)の案内状の多くは、返信用のはがきを同封して届けられてきます。
四十九日の法要は親族・親戚や友人のなかでも故人と特に親しかった方を招くものです。ぜひ出席してほしいという遺族側の強い意向をくんで、病気などやむを得ない事情がない限り出席すべきです。一家宛ての場合、故人にもっとも近い血縁者かその配偶者が出席するのが一般的です。
「出席・欠席」の連絡
案内状が届いたら、出欠の返事をできるだけ早く出すようにします。施主(法要の主催者はを施主と呼びます)は法事後の宴席の手配など、準備の都合があるからです。一般的に返信用ハガキが同封されていので、遅くとも一週間前までに出すのが礼儀です。
どうしても出席出来ない場合も早めに返事を出します。電話や返信用のハガキにお詫びの言葉を添えます。
供物料は「御仏前」と表書きした不祝儀袋に、時候のあいさつ、出席できないことのお詫び、追悼の言葉を述べた手紙を添えて、現金書留の封筒に入れて送ります。先方の都合を聞いて別の日にあらためてお参りするのもよいでしょう。
いずれにしても、法要に出席しないことは、故人への礼を逸することにもなります。できるだけ早く喪家を訪れる機会をもうけて、遺族をなぐさめ、故人をしのびましょう。
出欠連絡の書き方
出席の場合は、「御欠席」の三文字を、欠席の場合は、「御出席」の三文字を、二重線を縦に引いて消すのがマナーです。
出席・欠席のニ文字の上にある「御」 との文字を、「住所」のニ文字の上にある「御」の文字を、二重線を斜めに引いて消して、「欠席」の二文字を、○で囲みます。「住所」のすぐ下に、住所を書きます。
「御芳名」の「名」の上にある「御芳」のニ文字を、二重線を縦に引いて消します。自分の氏名をすぐ下に書きます。施主という方からは「御」という形で丁寧な言葉で記されていますが、返信はがきを出す時はそれを消してへりくだった書き方に訂正して返信します。
欠席の理由を書く
法事を欠席する際には、返信はがきに欠席の旨を書きます。この欠席の理由ですが、細かく記載することはしません。
どうしても外せないない用事があって、仕方なく法事を欠席する場合でも、「会議のため」、「出張中のため」などと具体的な法事の欠席の理由は書かず、「どうしても都合が合わず」「やむをえない理由で」と書きます。
ハガキに長々と理由を書き加えるのはスマートではありませんし、先方に対して失礼に当たりますので気をつけましょう。
供物料を同封する
法事で欠席する場合でも、法事のマナーとして供物料(お香典)をお渡しします。一般的には、供物料を現金書留に入れて送ったり、香や供花などを贈るのが一般的です。三回忌までの法事なら法要の当日までに届くように、供物か供物料(現金)を送る手配をします。
「供物料」と表書きして送ります。供花の色は、決まりはありませんが、赤などは避け、白い花を中心にするといいでしょう。
供物料は「供物料」または「御仏前」と表書きした不祝儀袋に、時候のあいさつ、出席できないことのお詫び、追悼の言葉を述べた手紙を添えて、現金書留の封筒に入れて送ります。先方の都合を聞いて別の日にあらためてお参りするのもよいでしょう。
なお、お斎(会食)に参加しないので、お供物料の金額は3,000~5,000円くらいが相場です。金額が大きいと、施主が、お返しに余計な気を使わせてしまうことになりますので、気をつけるようにしましょう。
供花を送るのであれば、お通夜や葬儀の時のような色の決まりはありませんが、赤などは避け、白い花を中心にするといいでしょう。
3. 四十九日の供物・供花と供物料
法要に参列する際、お香典とは別に故人の霊をなぐさめるために供える供物(お供え物)を持参する場合があります。特に四十九日法要は、故人や遺族にとって大切な節目の行事ですから、供物を持参する場合は事前にしっかり準備しておきます。
四十九日に招待されても、やむを得ない事情で出席できないときは、供物や供物料は送ってもよいとされています。しかし、招待されていなのであれば、その必要はありません。
最近の傾向として、自宅で法要を営む場合は供物や供花を、自宅以外では、施主側の負担を助ける意味で供物料(現金)を包むことが多くなりました。
供物としてふさわしいもの
供物にはどんな品物を渡せば良いのか、どのくらいの金額がふさわしいか迷うと思います。ここではお菓子、果物などの供物の選び方や、渡し方のマナーなどについてご紹介します。
一般に供物はあとに残らない、消えてなくなるもの(消えもの)が良いとされています。定番は、消耗品としての線香、ロウソク、菓子、果物などです。食品は果物、焼き菓子、煎餅、ゼリー、まんじゅう、羊羹、蒲鉾、佃煮などです。飲み物であれば、酒、お茶などです。
供物にふさわしくない品物
供物にするのにふさわしくない品物があります。
仏教では殺生をきらいますので、肉や魚などの殺生を連想させるものは避けたほうが無難とされてきました。ただし、最近はそれほど厳格ではありませんから、故人の好みも考え、どうしてもという場合はお寺に相談してから用意すると良いでしょう。
お花の場合、香りの強すぎるものは避けます。バラなど棘のある花は手入れがしにくいですし、香りの強い花を好まない方もいらっしゃるため避けたほうが良いでしょう。定番のゆりも香りが強いので、花屋さんに言えば香りの元であるおしべの処理をしてくれます。
同じ理由で、果物でも香りの強いものは避けます。旬のものが喜ばれますが、傷みやすいものや果汁が出やすいものはお供え物には向きません。
供物を選ぶポイント
供物はかさばらず、分けやすい個包装になっているものが喜ばれます。これは、地域によっては供養の一つとして、法要後に「御下がり」として、持ち寄られお供えされているものを、最後に参列者に配るケースがあるためです。
ということで、初から小分け包装されていないものや、重たいものは避けたほうが無難ですし、分配のしやすさを考慮すると、多種類のお菓子の詰め合わせよりも1種類が多数入っているものの方が良いかもしれません。
お供え物に食べ物を選んだ場合は日持ちを重視しましょう。特に夏場は劣化が早いですから、賞味期限が最低でも1、2週間はあるものが良いでしょう。
お菓子
供物として特によく選ばれるのがお菓子です。洋菓子でも和菓子でもどちらでも構いません。日持ちが良く故人が好きだったお菓子を用意する方が多いようです。
果物
果物を供物として持参する人も多くいます。果物はバラで用意するのではなく、カゴに盛られているものを選択するようにします。
果物の中でも、特にリンゴや梨、グレープフルーツ、メロンなどの丸い形状のものが好まれます。これは、魂の形が丸いといわれていることに起因しているためです。
なお、細かなことになりますが、果物の個数については、偶数は割り切れることから、「故人との縁が切れる」とされることがあります。そのため個数は、奇数にすることが勧められます。
死や苦を連想させ、不吉な数字といわれる4、9を除いた5、7、11個程度が目安です。
線香やろうそく
線香やろうそくも供物の定番です。煙が極楽浄土への道しるべともいわれ、お墓参りなどの仏事にも、毎日の供養にも使用できるので遺族からありがたがられます。
線香には香料が入っているものや煙の少ないもの、廉価なものから高価なものまで、さまざまなタイプが売られています。購入する前に遺族の好みをリサーチしておくと良いでしょう。ただし、あまり香りの強いものはNGです。
供花
花は、祭壇を飾るという大切な役割を担うため、お供えに相応しいもののひとつです。四十九日が過ぎるまでは、白を基調とした淡い色合いのものがよく選ばれます。
種類としては白菊が最も無難ですが、最近では胡蝶蘭、ユリなど洋花を贈ることも増えてきています。故人の好きだった花であれば、白にこだわらずに選んでも問題ありません。
また、アレンジメントされた花を贈ることも問題ありません。きれいなだけでなく、花瓶を用意する必要がなく、そのまま飾れるという点でも選ばれるようです。また、手入れが不要で長持ちするプリザーブドフラワーを使ったお供え用のアレンジメントもあります。
お酒
故人が生前、お酒好きだった場合、お気に入りの銘柄のアルコール類などをお供えすることがあります。ただし、宗派や地域の慣習によっては好ましくないとされるケースがあるので、事前に施主などに確認しておくのが安心でしょう。また、遺族がお酒を飲まない場合は、処分にも困るため避けた方が良いでしょう。
供物料
供物料は、故人との関係、法要の規模や食事の有無、地域によって異なります。
本来、線香、ろうそく、菓子などの供物や供花を持参するものでしたが、最近は供物料(現金)を包むことが多くなっています。供物料の金額は、地方によっても違いますが、金額は、故人と親しかった場合は、5,000円~10,000円ほど、それ以外であれば3,000円~5,000円ほどが相場だといわれています。
また、お斎(料理)と引き物(みやげ)が見込まれる場合は、合計で10,000円くらいになるので、それを含めて10,000円から30,000円程度を包むのが妥当でしょう。
お供え物の金額は、高すぎると遺族に気を遣わせてしまいますし、低すぎても失礼にあたります。親族間で既に金額を決めていたり、地域によって違いがあったりするので、周囲と相談しながら包む額を決定するのが良さそうです。
表書き仏式は「御仏前」「御供物料」など。神式は「御玉串料」「御霊前」など。キリスト教式はカトリック、プロテスタントとも「御花料」です。
供花は生花で1万5000円、花環で1万円くらいが相場です。
かけ紙・熨斗(のし)紙
供物を包む包装紙は地味なものを選び、弔事用の「かけ紙・熨斗(のし)紙」を付けます。熨斗とは白地に水引が印刷された掛紙のことで、四十九日までは白黒、四十九日以降は双銀の「結びきり」の水引のものを使用します。
「結びきり」には不幸が続かないよう断ち切るという意味があります。デパートで購入する場合は「四十九日のお供え物にします」と一言添えて包んでもらえば適した包装紙にかけ紙・熨斗紙をしてくれます。
ただし関西など一部の地域では一周忌からは黄白の水引を使う場合もあるため、常に白黒ではないことを念頭に、地域の慣習に従うように、注意してください。
熨斗の表書きは、四十九日であれば上段に「御霊前」と書くのが正式ですが、死後すぐ仏になると考えられている浄土真宗では「御仏前」と書きます。よくわからない場合は、「御供」「御供物」「御香料」「志」のどれかであればどの宗派でも対応可能です。
下段に参列者の代表者名を名字もしくはフルネームで記入します。夫婦で参列する場合、基本的には夫の氏名のみを載せますが、妻側の法要であれば妻の名前も併せて記入しておくのが親切です。
この際、通夜や葬儀のときとは異なり、四十九日用は薄墨ではなく黒墨を使用して書くものとされています。薄墨には、急な訃報に涙してしまい墨が薄くなったという意味があるので、あらかじめ決まっている法要である四十九日法要において、薄墨は適さないのです。
注意としては、かけ紙・熨斗紙は包装紙の上にかける「外かけ」にすることです。包装紙の下にかけてしまうと誰からのお供え物かわからなくなってしまいます。
供物の渡し方のマナー
供物は、自分で直接仏壇に置いてはいけません。施主にお出迎えいただいたときに「本日はお招きいただきありがとうございます」と挨拶すると同時に、「御仏前にお供えしてください」などの言葉を添えてお渡しします。
紙袋に入れて持参した場合は、紙袋ごと渡すのではなく、中身だけをお渡ししましょう。風呂敷に包んで持参するとより丁寧です。その場合も風呂敷から取り出して中身だけお渡しするようにします。
供物を荷物として送る場合
四十九日法要に参列できない場合、郵便や宅配便で供物を渡します。デパートやインターネットで供物を購入すると、無料で仏事用の包装をしてくれます。水引は黒白結びきりで印刷されており、水引の下に名前も書いてもらえます。
届ける場合、運送中の破れや汚れを防ぐため、掛け紙の上にもう一枚運送用の包装用紙を使用することがほとんどです。お店によっては包装紙やビニール袋など選べる場合もあるので、相談してみるのをおすすめします。
四十九日の供物を送るタイミング
四十九日の供物はどのタイミングで送るのが正解でしょうか。法要当日は遺族が忙しいこともあり、荷物が当日に受け取れないこともあります。まず、遺族にいつ、どこ宛に送るのが好ましいかを聞くと良いでしょう。一般的に法要の当日に自宅宛に送ることが多いようです。
また、お花を送る場合は、法要当日に斎場やお寺に送る場合もあります。
供物に添える手紙の書き方
お供えを送る際には、一緒に手紙を添えます。デパートやインターネットで購入する場合でも追加でメッセージカードを付けられる場合が多いようです。
お手紙には故人とその家族を思いやる文章。また、「重ね重ね」「ますます」などの言葉を重ねるのは不幸が重なるイメージとなるためNGです。同様の意味で、封筒に手紙を入れる場合には二重封筒は使いません。
また、文面に季節の挨拶は入れません。
供物に添える手紙の文例
例 1. 謹んでお悔やみを申し上げますとともに 心からご冥福をお祈りいたします。
例2. 心ばかりの花を贈らせて頂きました。謹んでお悔やみ申し上げますとともに、ご遺族の皆様のご 健康をお祈り申し上げます。
四十九日法要に呼ばれていない時のお供え物は?
四十九日法要に呼ばれていない場合、お供え物を送るべきか迷いますよね。実際には、呼ばれていなければお供え物は原則不要です。
卒塔婆とは、故人を供養するためにお墓に立てられる縦長の木の板のことで、古代インドで使われていたサンスクリット語の「ストゥーパ」が語源であると言われています。
卒塔婆供養
卒塔婆とは、故人を供養するためにお墓に立てられる縦長の木の板のことで、古代インドで使われていたサンスクリット語の「ストゥーパ」が語源であると言われています。
卒塔婆供養を行う場合には、僧侶へ依頼をして卒塔婆に経文、戒名、梵字、建立日などを書いてもらう必要があるため、事前にお寺へ連絡しておく必要があります。浄土真宗以外では卒塔婆を立てますが、参列者が供えるものとされています。
卒塔婆の金額は地域や寺院によって異なります。一般的な供養料の目安としては1本あたり3,000円〜10,000円程度が相場となっています。
卒塔婆供養を行う方が複数名いる場合には、事前に施主に卒塔婆料を渡し、施主から「卒塔婆料」として包んだものを僧侶へ渡します。または、あらかじめ施主を通じて寺院に依頼し、法要の当日、供物料とは別に「御卒塔婆料」として施主にわたします。神式では「御玉串料」「御神饌料」「御神前」とし、仏式の不祝儀袋は使わないように注意します。
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4. 四十九日法要の香典について
四十九日法要の香典について、悩まれる方も多いのではないでしょうか。ここからは、香典の金額相場から香典袋の書き方までを解説していきます。
香典の金額相場
四十九日法要での金額相場は、故人との親しさの程度によって変わります。また、これに加えて四十九日法要のあとに会食(お斎)があるかどうかでも変わってきます。
故人と血縁関係がある場合は10,000円~30,000円
故人と血縁関係がない友人などは5,000円~10,000万円
その中でもお世話になったという方は10,000円~10,000円
が相場です。
また、会食がある場合の相場は、これらの相場よりも上がります。
故人と血縁関係がある場合は20,000円~50,000円
故人と血縁関係がない友人などは10,000万円~30,000円
故人と血縁関係がない友人の中でもお世話になったという方は3万円〜
これらが相場です。
香典袋の書き方
四十九日での香典袋には、「御霊前」ではなく「御仏前」と書きます。これは、極楽浄土に行けるかどうかが決まる四十九日を境に故人が仏様になるといわれているからです。
しかし、宗教によって異なる場合もあるので注意が必要です。例えば、浄土真宗の場合は通夜の段階から「御仏前」と書きます。聞ける場合は、前もって故人の宗派を聞いておくと良いでしょう。
友人の葬儀・法事の際の香典の相場はこちらの記事で詳しく紹介しています。こちらもご覧ください。 【家族以外の香典の相場】友人への香典・友人の家族への香典の相場は?法事にも香典は必要?
5. 四十九日の服装マナー
参列者の服装は、家のしきたりや地域によっても異なりますが、忌明けまでは、葬儀、告別式と同じ喪服か準喪服にするのが一般的です。一周忌以降、法要の回を重ねるごとに喪の表現を軽くし、平服に近づけていくのが基本です。
ところが最近は、四十九日の法要では喪服や準喪服にこだわらず、地味な平服でも問題なくなっています。男性は、ダークスーツ、靴下は紺系かグレー系、ワイシャツは白、ネクタイは黒または地味な色柄を選び、赤系の色が混じったネクタイは避けます。
女性は、黒または地味なワンピースかスーツ、つや消しの黒い靴、黒または肌色のストッキング、和服であれば色無地に黒の帯をしめます。七回忌以降は、紫やグレーの帯でもかまいません。アクセサリーは控えるか、地味なものを選びます。
子供の場合は、学校の制服が喪服に代用できますので、制服を着用します。幼児などは黒、紺など落ち着いた色の服。靴も地味な色。汚れていないか確認も忘れずにしておきましょう。
弔事の服装のマナーについては、こちらの記事で詳しく解説しています。こちらも併せてご覧ください。 【友人の訃報】知っておくべき3つのこと。弔問、お通夜・葬儀で恥をかかないために?通夜・葬儀における服装マナー
6. 四十九日のその他のマナーとあいさつ例文
時間を守り、途中で帰らない
法要の場では時間厳守です。会場に到着したら施主や家族にあいさつをして供物や供物料を差し出します。最後まで退席しないのがマナーです。
法要は、施主があらかじめきちんと準備をして営まれるものです。宴席も、参列者一同がそろったことを確認した上で施主のあいさつがはじまります。参列者はそこに招かれて行くものですから、時間に遅れたり、途中で勝手に退席したりするのでは招いた人に失礼となります。
特別の事情が生じたときは、きちんと施主側に連絡をしておきます。法要がはじまる少なくとも20~30分前には会場にうかがい、施主のあいさつのあとに会場を出ます。また、おおごえなどはつつしみ、節度を保って故人をしのぶことはいうまでもありません。
あいさつをする
法要の会場に着いたときは、「本日は、お招きをいただき、ありがとうございます。ごいっしょにご供養をさせていただきます」といったように、招かれたお礼の言葉を述べます。
葬儀や告別式ほどあらたまる必要はありませんが、遺族をいたわる言葉も必要です。また、供物や供物料は、「御仏前にお供えください」と差し出します。
宴席でのあいさつの例文・友人
宴席でスピーチを依頼されたとき困らないように、例文を挙げましたので参考にしてください。
「私は、○○君の大学時代からの友人で、△△と申します。本日は、○○君の一周忌の法要にお招きくださいまして、ありがとうございました。ご指名をいただきましたので、ごあいさつを申しあげます。
久しぶりに○○君のご仏前にお参りをさせていただき、なつかしい気持ちでいっぱいです。また、多くの皆さんがお集まりになっているのを拝見して、あらためて○○君のお人柄がしのばれます。
(中略・故人との思い出などを語る)
ご家族の皆さまも元気を取り戻されたご様子で、安心をいたしました。たいしたお力にもなれませんが、なにかありましたらご遠慮なく声をかけてください。思いつくままにて失礼をいたしました。」
宴席でのあいさつの例文・教え子
「○○先生、先生が亡くなられてから1年がたちました。校門の大きなイチョウの木が色づくころになりますと、悲しい知らせを受けたあの日を思い出します。
私が3年生のとき、テニス部の部長という責任を果たすことができたのも、先生が顧問として私たちをやさしく、ときにはきびしく指導してくださったおかげです。
(中略・思い出話などを語る)
先生の思い出は、いつまでも消えることはありません。これからもずっと、私たちを見守っていてください。先生の教えを忘れずに、がんばっていきます。よろしくお願いいたします。」
祭壇に拝礼するときの作法
仏式
仏式では、僧侶の読経がはじまったら、参列者は焼香をします。故人との縁が深い順に、家族単位で行います。仏前に進んで正座し、施主に一礼してから正面を向き、遺影や位牌を仰いで深く一礼します。
抹香をつまんで香炉に入れるのを3度(宗派で異なります)くり返し、胸もとで合掌し、深く一礼します。ふたたび施主を向いて一礼してから席に戻ります。焼香のあと僧侶の法話に静かに耳をかたむけ、終了したら合掌します。
神道
神式の祭霊では、参列者は玉串をささげます。玉串奉奠を遺族だけが行う場合、一般参列者は、二礼二拍手一礼の拝礼をします。一年祭までは、拍手(かしわ手)は音を立てないしのび手ですので、注意しましょう。
神職によるお祓いや祭詞奏上のときは、深くおじぎをします。
神道の通夜・葬儀におけるマナーについては、こちらの記事が詳しいので、併せてご覧ください。
【葬儀】社会人として知らないと恥ずかしい通夜・告別式のマナー(3) 神道式通夜葬儀のマナー
キリスト教
キリスト教式では、カトリックの場合は、ミサは神父の司会で進められ、聖歌を合唱し、祈りをささげます。プロテスタントの場合は、聖書朗読、賛美歌を合唱し、牧師とともに祈りをささげます。
偲ぶ会・追悼の会
最近では、特定の宗教や宗派にこだわらないで故人をしのぶことが多くなってきました。「しのぶ会」「追悼の会」「思い出を語る会」など名称はさまざまですが、無宗教で葬儀・告別式を行った場合に、この形式をとるのが一般的です。
招かれた場合、会場には数珠や十字架など、特定の宗教を象徴するものは持参しないことです。仏教的なお悔やみの言葉も避けましょう。服装は、男性はダークスーツ、女性はワンピースやスーツなど、地味な服装であれば問題ありません。
こうした会は会費制で、案内状に金額が明記されている場合がほとんどです。不祝儀袋は使わないように注意しましょう。
このような会では、関係者を招いて飲食するだけでなく、会場では故人の写真や遺品を展示したり、ビデオの上映、有志による追悼演奏など、無目的な印象にならない工夫や演出がされています。
四十九日に併せて、故人を偲ぶ会を検討してみませんか。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
「故人を偲ぶ会」や「お別れ会」を開催するときに、知っておくべき10のこと
7. 法要後の会席(お斎)のマナー
法要の後、施主が列席者を招待して行なう食事(会席)の場をお斎(おとき)と言います。お坊さんや参列者に対する感謝の思いを示した席であり、参列者全員で思い出話をして故人を偲ぶ目的もあります。
お斎は法事の後なので、そのままの服装で参加することがほとんどです。施主や親戚がそのままであれば、服装を崩しにくいものです。施主が上着を脱いだり、平服に着替えたりしたら、それに倣っても問題はないでしょう。
自宅の場合は別室での会席をしますが、場所を移動する場合もあります。お寺で法要をした後、近くの料亭やレストランでする例も多い。故人をしのびながら会食となります。
法事の後、お斎に参加できない場合は、はっきりとに施主に告げましょう。お斎の食事は、人数分用意するので曖昧であると迷惑になります。
8. まとめ
記事が長文になりましたので、ポイントを簡単にQ&A形式でまとめてみましたので、参考にしてください。
Q:四十九日とは?
A:四十九日(七七日)とは、仏教の考えかたで「極楽浄土に行けるか否かの審判が下される日」のことをいい、故人の次の世が決まる日です。
Q:四十九日法要を行うのはいつ?
A:四十九日の日に行うのが良いですが、難しい場合は四十九日以前の近い日に前倒しするのがしきたりで、後には行いません。一般的には四十九日直前の土日に多く行われています。
Q:四十九日法要の香典における金額相場は?
A:四十九日法要での香典の金額相場は、故人との親しさの程度によって変わります。故人と血縁関係がある場合の相場は1万円~3万円、故人と血縁関係がない友人などは5千円~1万円、その中でもお世話になったという方は1万円~3万円が相場です。会食がある場合はこれらの相場よりも上がります。その相場についてはこちらをご覧ください。
Q:四十九日法要の香典袋の書き方は?
A:四十九日での香典袋には、「御霊前」ではなく「御仏前」と書きます。ただし、宗教・宗派によって異なる場合もあるので注意が必要です。
Q:四十九日法要に参列する際の服装マナーは?
A:四十九日法要では、参列者は、男性がスーツ、女性がワンピースやスーツ、アンサンブルを着ます。
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②メモリアルサイト・メモリアルブックで思い出を共有。
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故人の友人や知人、会社関係の方々から思い出のお写真やメッセージを集めて、
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「故人に会えたような気がしました。」など多くの方からご好評の声をいただいています。
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