【葬儀】知らないと恥ずかしい通夜・告別式のマナー(2)供花・供物と社葬の知識
更新日:2022年10月4日

知らなかったでは済まない、社会儀礼上の様々なマナー。前回は社会人として知っておくべき通夜・葬儀の参列マナーのうち「弔問、通夜、告別式に参列する際に気をつけるべきマナーと香典」についてお伝えしました。
故人と深い付き合いがあったり、お世話になった場合は、供物や供花を贈ることもあります。 お葬式の内容や斎場の状況にもよるので、贈るときは必ず遺族に確認しなければなりません。
今回は、引き続き供花・供物の送り方、社葬へ参列する際に注意しなければならないことをお伝えします。
目次
1. 供花・供物の手配と送り方
葬儀で送り主の名前が記された、「供花」や「供物」が祭壇に飾られているのを目にすると思います。「供花」は「くげ」、「供物」は「くもつ」と読みます。最近は「供花」を「きょうか」とも読むようです。もともとは故人や先祖、仏さまを供養するために捧げるお供え物です。
1-1. 供花・供物の意味
供花、供物は、通夜や葬儀・告別式のほか、法要などでも故人や遺族への弔意を表すために贈るものです。 故人の霊をなぐさめるために、故人の霊前に供える花を供花と言い、品物を供物と言います。
一般的には、遺族の近親者、故人やご家族と親しい間柄の人、故人が所属していた会社や学校関係者などが贈るのが一般的です。 故人の親族や、特に親しかった友人などが贈ります。また、喪主・親族たちで用意することもあります。
寄せられた供花・供物は通夜や葬儀・告別式の間、祭壇や会場で飾られます。
1-2. 供花・供物の手配
通夜式や葬儀・告別式に供物を贈るときに注意しなければならないのが、宗教・宗派によって、贈ってはいけないものがあることです。仏教でも宗派によって供物の考え方が違うので、わからない時は、お葬式の運営を担当する葬儀社などに確認してから品物を選びましょう。または、手配そのものを葬儀社に依頼してしまうのも賢明なやり方です。
供花の手配は花屋さん、または葬儀社に注文します。また、インターネットで発注することもでき、会場まで直接届けてくれます。ただし、花輪は葬儀社に依頼するケースが多くなります。
葬儀の供花の場合、注文は早めにして前日には届くようにします。また、斎場によっては、飾り付けのスペースの関係などから、持ち込みを断っているいる場合もありますので、必ず葬儀社に確認しましょう。
もし、好きなお店から届けたいなら、お葬式ではなく、後日、自宅に贈る方法もあります。
1-3. 供物のかけ紙
供物には弔辞のかけ紙をつけてもらいます。 「のし」はつけません。仏式、神式に共通する表書きは御供物(おくもつ)または御供(おそなえ)です。 店に手配する場合には、この表書きをお願いします。
水切りは結びきりです。 かけ紙の水引は一般に青と銀、紫と銀などで印刷されています。氏名を毛筆か筆ペンで薄墨で書きます。 店に手配してもらう場合には、名前が間違っていないかを確認しましょう。
1-4. 供物・供花の相場
香典と同様に、供物・供花にはある程度、金額の相場があります。
金額の目安は、
生花:15,000円程度/1基
花輪:10,000円程度/1本
大榊(神式):30,000円程度/1対
果物・缶詰かご:10,000円程度/1かご
大榊(おおさかき)とは、神式葬儀(神道のお葬式)の際に、最低限、祭壇の両脇に1対置かれる、榊でできた供花のことです。高さは1mほどもある立派なものです。
1-5. 遺族の意思を尊重する
供花・供物を贈るときは、ご厚志お断りといった遺族の意向の有無や、宗教・宗派によるNGなどがないかを事前にお葬式を出す故人の家族に確認して、迷惑がかからないようにしなくてはいけません。
特に、最近では身内のみで執り行う小規模な家族葬が増えたこともあり、供花や供物を遺族が辞退することも多くなっています。辞退の意向があるのに供物や供花を贈ると、先方に心理的な負担となりますので、遺族の意思を必ず確認してください。
2. 供花・供物に適さないもの
供物は、宗教や宗派、地域によって内容はさまざまですが、場合によって贈ってはいけないものがあります。それぞれ理由があってのことですので、知っておけばマナー違反を犯すこともないでしょう。
2-1. 仏教
仏教の場合は、供物として線香やろうそく、菓子、果物などを贈るのが一般的です。仏教でタブーなものは、肉類や海産物です。肉類や魚が殺生をイメージさせるためです。日本酒などはお祝いごと、または精進落としに用いられる品物であるために、マナー違反だとされるので注意が必要です。
2-2. 神道
神道では香を焚かないので、ロウソクやお線香は贈りません。菓子や果物を贈ることが多いです。 仏式とは異なり、肉や魚、酒を贈っても構いません
神道式の通夜葬儀のマナーについては、こちらに詳しく解説していますので併せてご覧ください。 【葬儀】知らないと恥ずかしい通夜・葬儀の参列マナー(3) 神道式通夜葬儀のマナー
2-3. キリスト教
キリスト教は仏教のように“供養する”という考えがないため、供物の習慣はありません。そのため、贈る際は生花のみにします。 造花はNGです。ただし、キリスト教でもカトリック教会では、供花を認めていないことが多いようです。 事前に確認してから贈りましょう。
〇こちらを見ているあなたにおすすめ〇
お別れ会・故人を偲ぶ会を"通常よりも低価格で実現する"ための資料をプレゼント中
持ち寄ろう思い出と想いを。「しのぶば」
3. 社葬に参列するときのマナー
3-1. 社葬の通知を受けたら
社葬とは、会社が運営主体となって執り行われる葬儀のことです。社葬と聞くと大きな会社が執り行うイメージがありますが、中小企業や自営業であっても行われることはあります。
社葬は企業が施主となり、遺族は社葬に出席することはありますが、運営にはかかわらないのが一般的です。
社葬に参列するのは会社同士のお付き合いでする場合が多いですね。会社の規模や取引の関係性によって変わってきますが、故人と同じくらいの役職者が出席するのが礼儀です。社葬の通知があれば上司、あるいはトップの判断を仰ぎましょう。
もし、あなたあてに社葬の知らせがあっても、個人的な付き合いのある会社からのものであれば、付き合いの程度に応じてあなた自身が判断すればよいでしょう。
3-2. 服装のマナー
基本的なマナーは個人の葬儀と変わりません。ただし、社葬の参列者となるとそれなりの地位の方が集まりますので、会社を代表して参列する場合は、会社の体面にも関わりますから注意が必要です。平服ではなく、正装で臨むのが最善です。
葬儀での服装でもっとも大切なのは『故人への哀悼の意を表す』という点です。それをふまえれば、通夜・告別式にふさわしい服装は「喪服」ということになります。とはいっても、「喪服」の種類も多種多様で、頭の先から爪先まで何をどう選べば良いのか、悩むところです。特に女性の場合は、アクセサリーや、お化粧に至るまで気を遣うことが多いと思います。
そんな悩みについて、「【友人の訃報】知っておくべき3つのこと。弔問、お通夜・葬儀で恥をかかないために?」の 3-2. お通夜・葬儀における服装マナーで詳しく解説しています。社葬の際の服装にも通用しますので、参考にしていただければ幸いです。
3-3. 供花・供物のマナー
社葬の場合、供花や供物の役割は個人の葬儀よりも重要です。社葬には多くの関係者が集いますので、会社の「メンツ」に関わるからです。
手配は早めにすること。気をつけなければならないのは、社名や代表者名を正確に伝えて、間違いのないようにすることです。もちろん、通知に「供花・供物は遠慮します」と書かれていれば、それに従います。
第一章の「1. 供花・供物の手配と送り方」を参考にしてください。
3-4. 弔電と香典について
個人葬の場合、弔電の宛先は喪主とされますが、社葬の場合は弔電の宛先は葬儀委員長となります。
また、お香典に関しては喪主宛てとなります。これは社葬の場合お香典が税金対象となることから、辞退するのが一般的とされているためです。
ビジネス関連の弔電と香典については、「突然の訃報にどう対応する?ビジネス関係の弔事マナー(職場内の弔事)」で詳しく紹介していますので、こちらもご覧ください。
関連記事
突然の訃報にどう対応する?ビジネス関係の弔事マナー(職場内の弔事)
オンラインで故人を偲ぶ会を開催する、追悼サービス「しのぶば」をご検討ください。
しのぶばが提供するのは以下のサービスです。
①オンラインで故人を偲ぶ会を開催する。
司会者を中心に、故人を偲ぶ会をオンラインで開催します。
事情があり葬儀に参列できなかった方にご好評いただいています。
②メモリアルサイト・メモリアルブックで思い出を共有。
故人らしい追悼サイトを制作いたします。
故人の友人や知人、会社関係の方々から思い出のお写真やメッセージを集めて、
メモリアルサイトとしておまとめいたします。
メモリアルサイトやメモリアルブックとして遺し、みなさまとで気持ちを共有することができます。
「娘でも知らなかった母の一面を、知ることができました。」
「故人に会えたような気がしました。」など多くの方からご好評の声をいただいています。
しのぶばのお申し込みはこちら